家庭で使われているLPガスの主成分は、プロパン(C3H8)がもっとも多くなっています。
このためLPガスはプロパンガスとも呼ばれています。
また、ガスライターの中に入っている液体はブタン(C4H10)と呼ばれる成分で、LPガスの一種です。
このように、LPガスとして用いられているガスは、炭素(C)の原子数が4以下の炭化水素(CH)の混合物になっています。

気体のLPガスは空気より重く、空気の1.5~2倍の重さになっています(100%プロパンの場合、15度・1気圧で1.865kg/cm3)。
そのため、家庭などでLPガスが漏れた時は、床面をはうように広がり、低い場所にたまる性質があります。
いっぽう、都市ガスは空気より軽く、漏れた場合は天井の方へたまっていく性質があります。

液化プロパンの沸点はー42度です。室温の状態ではあっという間に気化してしまうのです。

LPガスは簡単に液体になる性質があります。液体になると、体積は気体の時の250分の1になります。輸入したり、ご家庭にお届けしたりする時には、液体にして効率よく運んでいる、というわけです。

気体のプロパン1m3を燃やすと99MJ(24,000Kcal)、ブタン1m3は128MJ(31,000Kcal)の熱量を発生します。
また、液体1?当たりではプロパン、ブタンともに50MJ(12,000Kcal)の発熱量があります。
これに対して都市ガスは46MJ(11,000Kcal)です。気体のプロパンは都市ガスより約2.2倍の熱量があり、従ってLPガスの方が都市ガスより火力が強い、ということになります。

プロパンが空気中に分散して空気と混ざり、次第に濃くなって空気中の濃度が2.1%~9.5%(ブタンは1.8%~8.4%)の範囲になった時、燃えたり爆発したりするのです。
したがって、LPガスが漏れた場合、少量でも爆発の危険性がありますので、ガス漏れ警報機を設置して微量のガス漏れでも検知できるようにするなど、十分ご注意下さい。

LPガスは本来においがありません。
しかし、ガスが漏れた時にすぐに気づくように、タマネギの腐ったようなにおいをつけています。
このにおいの成分は、ガスが燃焼すると無臭になるので、LPガスが正しく使われている限りはにおうことはありません。